◆卒業生からのメッセージ
入江佐和子 先生 [DIPLOMA 課程卒]
Sheffield University/イギリス
シェフィールド大学日本学部の日本語教師として教え始めて3年近くになります。英国の大学で日本語を教えたいという希望があったため、英国国際教育研究所の日本語教師養成講座を卒業してから、新聞広告等を見て、募集があるかどうか探していました。研究所の方でもめぼしい募集案内広告を掲示してくださいましたので、そちらの掲示も時々チェックしました。私が講座を卒業した、1994年の5月にシェフィールド大学の日本語講師募集がありましたので、履歴書を大学に送りました。
日本で児童英語教室の講師をしていた経験も考慮されてか、面接に呼ばれ、1時間あまりの面接の結果、採用となりました。現在、初心者から上級者までの会話のクラスを教えています。学年やレベルによって指導法は異なりますが、研究所の養成講座で学んだ知識やテクニックが役に立っています。
例えば、日本語に対する態度や分析法など。さらに実際の授業を行うに際して私が痛感したことは、実地の経験だけではなく理論に裏付けられた経験の大切さ、ということです。分析する態度、言語学や教授法を自分の授業に応用することは、より効果的な授業をする上でとても大切です。養成講座においても、これらのことが強調されていましたので、その時学んだことが今でもおおいに役立っています。
山田和美 先生 [DIPLOMA 課程卒]
St. Paul's Girls' School/イギリス
宿題、どこまでやってあるかな。まとめのプリント、ちゃんと読んでくれたかな」こんなことをひとり呟きながら、そしてまた、今日の授業の手順を考えながら学校に向かう。 St. Paul's Girls' School―の名前を聞いただけで、いかにもイギリスの名門校らしく制服を着て、どちらかといえば堅苦しい…との想像とは大違い。何とも自由闊達な校風で、生徒たちの表情は生き生きとして、天真爛漫そのものである。
ある日、授業の一環でディナーに行くから、5時までしかいられない、と言う。急きょ予定を変更し、必死で5時に終えたところ、あとから嘘だったことが発覚。次の週授業に行くと、生徒がカードを差し出した。
水色の手作りのカードいっぱいに描かれたユーモラスな絵、そして"Mrs. Yamada, we are so sorry- We love Japanese, we love you"と書いてある。怒る前に吹き出してしまった。キラキラと目を輝かせ、"Cool! Now I can write my diary in Japanese!"と興奮して飛び上がる姿を見たとたん、「ああ!教えていて良かった」と思い、「じゃあもっと」と次への意欲が湧いてくるのである。教えることとは、何と素晴らしいことか。誰かが「教えることの歓び」を「禁断の果実」と例えていた。
禁断の果実の味を知ってしまったものには、その味を忘れることができないのである。
小島紀子 先生 [DIPLOMA 課程卒]
PYAESS Japanese Language School/シンガポール
学生たちに支えられながらの2年間でした。誰にも負けないくらい充実していたと胸を張っていえる私がいます。(中略)日本語教師の醍醐味、それは日々成長していく彼ら、つまり自分の仕事の成果をみることが出来ることでしょう。「あいうえお」さえ知らなかった彼らと、日本語で世間話ができるようになった時の充実感は例えようがありません。しかし、母親が子供と共に成長していくように、私も色々教えているつもりが、実は学生から得るものの方が多いのかもしれません。_
こんな半人前の私の授業にも真剣に耳を傾けてくれ、慕ってくれます。これまでスランプに陥ることなく、のんきに楽しくできているのは、彼らがいてこそです。
(中略)最後に、日本語教師に必要なことは、このように自画自賛できるくらい、自分に自信を持つことだと思います。これに尽きるでしょう。
富永美希 先生 [DIPLOMA 課程卒]
マリンガ文化体育協会, 加古川マリンガ外国語センター/ブラジル
現在、日系社会青年ボランティアの一員としてブラジルで日本語を教えています。(中略)研究所での教育実習の経験は得難いものだったと思います。ブラジルの日本語教育は特性も著しく、日系二世三世の先生方と試行錯誤を重ねています。
複式授業、複複式授業、超複式授業という難しいといわれている形態で授業を行ないます。ブラジルで育つ子供に、日本的な躾け教育もしてほしいというのが、親の願いです。これから考えていかねばならないだろうことがたくさんあります。私の三年間はまだ始まったばかりです。(中略)
明日の授業に行き詰まったとき、疲れを感じて辛いとき、私は母校の先生方やみんなと学んだことを思い出します。整った教育をイギリスで体験しておくことができてよかったと思います。研究所の周辺の景色は鮮やかに目に浮かびます。私たち学生のために、それこそ全力で授業してくださった先生方を思い返し、私も私の生徒たちのために、よりよい授業をしたいと励まされます。
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